日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
超音波断層法による胆嚢癌診断に関する臨床的研究
とくに早期診断能について
渡辺 栄二
著者情報
ジャーナル フリー

16 巻 (1983) 9 号 p. 1684-1693

詳細
PDFをダウンロード (25246K) 発行機関連絡先
抄録

超音波断層法による胆嚢癌の診断規準を確立し, 早期診断能を向上させる目的で, 臨床例を中心に胆嚢良性疾患, 胆嚢癌症例の超音波像を分析し, エコーパターンを作製した.胆嚢癌症例の82.9%は5つのエコーパターンのいずれかに分類され, 各エコーパターンと腫瘍の肉眼的形態との間には一定の関係がみられた.つまり, ポリープ型では有茎性の乳頭型 (乳頭浸潤型), 高輝度結節型では深い潰瘍型, 限局性腫瘤型では無茎性の乳頭型, または結節型 (結節浸潤型), びまん性腫瘤型では結節型 (結節浸潤型), 限局性壁肥厚型では丈の低い広基性の結節浸潤型を示す傾向にあった.また, 各エコーパターンと肉眼的進行度との間にも一定の関係がみられ, ポリープ型では比較的早期の胆嚢癌の可能性が高く, とくに腫瘍の大きさが3cm以下の場合は, stage Iの早期診断の可能性が高いと思われた.
限局性腫瘤型, 限局性壁肥厚型を示す場合, エコーパターンのみからは良性疾患との鑑別が困難な場合がみられたが, 超音波映像下の胆嚢穿刺による胆嚢内胆汁CEA値の測定が鑑別に有用と思われた.なお, 5つのエコーパターンに分類されなかった腫瘍同定不能例の肉眼形態は浸潤型か浅い陥凹型を示す傾向にあった.

著者関連情報
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top