日本消化器外科学会雑誌
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肝門部胆管癌の診断と治療
川浦 幸光魚津 幸蔵石田 文生平野 誠山田 哲司岩 喬
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1984 年 17 巻 10 号 p. 1851-1855

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抄録
肝門部胆管癌14例を対象として診断と治療につき検討した. 次の結果を得た.(1) 超音波検査 (US), CT断層 (CT), 経皮経肝的胆道造影 (PTC), 血管造影 (Angio) を総合判断しても, 胆管2次分枝を越える例, スキルス様進展をとる例では浸潤範囲を正確に同定できなかった.(2) PTCでは胆管浸潤は92.9%, 血管造影で肝転移が90%, US, CTで門脈浸潤, 肝内直接浸潤は75%の診断率であった.(3) 14例中根治術は3例のみであった. 1例は胆管切除術を, 1例に胆管切除兼膵頭十二指腸切除術を, 残り1例に右三区域切除術にて根治術可能であった.(4) 14例中3例に神経侵襲を認めた.(5) 12ヵ月以上生存例は3例のみであった.11例は6ヵ月以内に肝不全, 遠隔転移で死亡した.
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