17 巻 (1984) 10 号 p. 1865-1869
腹腔内に腫瘍が存在する大腸癌症例147例について開腹直後に洗浄細胞診を行った. その結果癌細胞の陽性率は腹膜播種 (以後Pと略す) ・腹水ともに (+) 100%, P (+)・腹水 (-) 58.3%, P (-)・姑息手術18.2%, P (-)・治癒手術5.5%で進行したものほどその陽性率は高かった. 細胞診の結果と予後との関係をみると, 姑息手術例の細胞診陽性例では53.3%に癌性腹膜炎の増悪をみたが細胞診陰性例では4.5%に癌性腹膜炎の進展をみたのみだった. 治癒切除例では細胞診陰性例に腹膜再発はなく, 陽性例では3例中1例ではあるが腹膜再発をみている. したがって細胞診陽性例では, 姑息手術例ではその後の癌性腹膜炎が増悪し, 治癒切除例では腹膜再発の危険性が高いものと考えられた.