17 巻 (1984) 4 号 p. 771-778
直腸癌の予後判定因子を明らかにするために, 70歳末満の切除症例111例について, 質的データ解析の数量化理論により分析した. 判別分析の数量化理論により, I) 5年未満死亡群, II) 5年以上生存群への弁別を行い, 予後判定に寄与する因子と, その臨床的意義について検討した. 結果として, 要因的には深達度が最も重要で, 以下ly, n因子などが重要であることがわかった. 判別的中率は84.7%と両群への弁別が良好に行われた.
以上より, 手術時に得られた定性的な因子の予後に寄与する大きさが, 「重み」として数量で求められ, 予後の判定が多くの因子を総合した観点から, 定量的に行えることが示唆された.