17 巻 (1984) 9 号 p. 1767-1774
直腸癌手術症例のうちリンパ節転移陽性例に予後不良例が多いことから, とくに郭清困難な側方経路のリンパ節転移を標的とした, 5-Fu Emulsionの仙骨前腔投与を雑種成犬を用いて実験的に試みた. 加えて, 直腸管腔内投与および直腸粘膜下投与と比較検討した. その結果, 5-Fuのリンパ節への移行は, 左結腸リンパ節では粘膜下投与群が良好であったが, 嵐径リンパ節や骨盤内リンパ節である内・外腸骨リンパ節への移行は, その濃度や経時的推移からみて仙骨前腔投与群が他群に比ベて良好であった. このことから, 仙骨前腔投与法は直腸癌手術の際郭清が不徹底となりやすい側方リンパ節転移に対する補助療法として有用であると考えられた.