1986 年 19 巻 10 号 p. 2129-2133
胃切除後の107例に対して無選択的にmicrodensitometry法による骨塩量の測定を行い, 胃切除後骨障害の発生頻度をまたCa infusion試験によりその病態を研究した.
胃切除後骨障害の発生率は38%であり, 術後5年以上経過すると, 胃全摘後では62%に, 胃部分切除後では55%に骨代謝異常を認めた.
胃切除後, 骨障害度の初期になるのにかかる期間は胃全摘後で1年6ヵ月, 胃部分切除後では5年であった.
Ca infusion試験によると, 胃切除後の骨障害例とくに重症例の多くは, Nordinの基準による28%以下で骨軟化症を呈していた.