1986 年 19 巻 11 号 p. 2215-2221
肝切除後の形態的, 機能的肝再生を知る目的で, 肝切除23例を対象とし, Computed tomography (以下CTと略す) を用い肝体積を経時的に反復測定し, 経時的に行った肝機能検査と比較検討した.非硬変大量切除例においては肝体積の回復は復元率平均82%, 機能的にもほぼ術前値に復した.中少量切除例において, 非硬変例は体積の有意な回復は示さなかったが, 機能的には術前値に復した.しかし, 硬変例では有意な体積の回復があるにもかかわらず, 機能的には術前値に復さず, 硬変中少量切除例は形態的には再生しても機能的な再生は不良であった.