21 巻 (1988) 12 号 p. 2703-2711
胃切除術後長期経過症例の, 吻合術式による生理学的ならびに組織学的相違点を解明するために, 広範囲胃切除術後症例30例 (Billroth-I法: B-I法15例, Billroth-II法: B-I法15例) を比較検討したB-II法群の胃内外分泌機能は低く, MAO値は0.32±0.12m Eq/hr, T-IGR値は0.11±0.02ng. min/mlといずれもB-I法群より有意に低値であった. 組織学的にもB-II法群では, 固有胃腺の萎縮や, 吻合部における腺の嚢胞状拡張などの出現が有意に高頻度であった. このB-II法群の残胃粘膜萎縮は, duodenal bypassによるgastrinのtrophic actionの欠如によって引き起こされると考えられた.