22 巻 (1989) 4 号 p. 985-988
腹膜播種性胃癌に対する腹腔内two-route chemotherapy (ip-TRC), すなわちCDDPの腹腔内投与と中和剤STSの静脈内投与併用療法に関する基礎的臨床的検討を行った.
ヌードマウスを用いた動物実験では, CDDPの毒性に対するSTSの強い中和効果が確認され, ヒト胃癌株による癌性腹膜炎モデルでのip-TRC治療実験においては, 有意な延命効果が認められた. 次いで, 腹膜播種性胃癌20症例に対して本法を施行し, CDDPの体内動態, 副作用, 臨床効果について検討を行った結果, 本法は腹膜播種性胃癌に対しても, また, 漿膜露出胃癌における腹膜播種予防対策としても, adluvant chemotherapyとして安全かつ簡便で有用な治療法と考えられた.