22 巻 (1989) 7 号 p. 1729-1737
食道癌切除867例におけるリンパ節転移をリンパ節の部位別に分類して,その転移率および予後から,リンパ節郭清の意義を検討した. 癌の深達度が増すとリンパ節の平均転移個数が増加し,転移個数が増すと生存率が低下した. リンパ節の部位別の転移率は右縦隔最上部,左鎖骨上,右噴門,気管前,左噴門,左胃動脈幹,胸部上部労食道リンパ節の順で高かった. リンパ節転移部位別の生存率では,右縦隔最上部,左噴門,胸部中部勇食道転移陽性例の予後が比較的良く,郭清の意義が有ると考えられた. 気管前,右肺門,横隔膜,後縦隔,大動脈弓下,脾動脈幹リンパ節転移陽性例には3年生存老がなく,今までの郭清方法では予後に対して有効ではなかったといえる.