日本消化器外科学会雑誌
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術後に発生した広範囲肝梗塞の2症例
小原 則博塩竈 利昭寺田 正純松尾 繁年松元 定次元島 幸一角田 司土屋 涼一山本 賢輔
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23 巻 (1990) 10 号 p. 2395-2399

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抄録

手術後に発生した広範囲肝梗塞の2例を経験したので報告した.症例1は62歳男性で肝門部胆管癌に対する門脈合併切除を伴う肝左葉兼尾状葉切除後にS8領域に発生した肝梗塞であり, 症例2は46歳男性で胃癌再発例に対する門脈, 肝動脈合併切除兼再建を伴う膵頭十三指腸切除後に発生したものである.前者は術後1か月目に肝不全にて失ったが後者は救命しえた.また肝梗塞の発生機序として, 症例1は剖検により門脈再建部は良好に開存しているのが確認されたが, 右肝動脈前枝が腫瘍に巻き込まれていたため結紮切除しており, その支配領域 (S8) が広範囲に肝梗塞に陥っていた.症例2は胆管空腸吻合部の減圧目的として挿入したretrograde transhepatic biliary drainage tubeで肝内血管を損傷し, その肝内血管支配領域に肝梗塞が発生したと考えられた.これら肝梗塞の診断, および反省点について考察を加え報告した.

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