23 巻 (1990) 10 号 p. 2433-2437
今回われわれは, 大量出血をきたした小腸のDieulafoy型潰瘍の1例を経験し, 術前に出血部位を診断し, 観血的に治療しえた.症例は68歳, 男性.下血と出血性ショックのため受診した.出血シンチグラフィ (99mTc-RBC) で左上腹部に集積がみられ, 上腸間膜動脈造影では空腸動脈からextravasationを認めた.
小腸切除術を施行し, 粘膜面に小さな露出血管を認めたが潰瘍などはなかった.病理組織学的にはpersistant calibar arteryの所見であった.本邦ではいまだこのような症例の報告はなく, きわめてまれと思われる.
出血源の不明な消化管出血においては, シンチグラフィおよび血管造影が, 診断・治療上有用である.