日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
大腸腫瘍発生母地に関する免疫組織化学的研究
三木 修
著者情報
ジャーナル フリー

23 巻 (1990) 8 号 p. 2074-2082

詳細
PDFをダウンロード (21581K) 発行機関連絡先
抄録

癌発生過程の複合糖鎖を研究する目的で, PNA, UEA-1, SBAの3種のレクチンを用いて, ヒト大腸正常粘膜, 腺腫, 癌とドンリュウラットに1, 2-dimethylhydrazine (DMH) 20mg/kgを週1回投与して発生した異型腺管巣, 癌を検討した.大腸腫瘍性病変では, 異型度を増すとともに, ヒトではPNA, UEA-1, SBA染色でラットではUEA-1, SBA染色で細胞表面陽性率が増加し, 各レクチンとも胞体内染色部位はびまん性不規則となった.ラット遠位大腸正常粘膜では, DMH投与によりPNA, UEA-1染色で陽性部位が認められた.以上の結果は, ヒト腺腫, ラット異型腺管巣と癌との関連を示唆している.また, 形態学的変化が起こる以前に正常粘膜内に生化学的代謝の異常が起こり始めている可能性が示唆され, このいわゆるhigh risk mucosaより発生する異型腺管巣が発癌母地と考えられた.

著者関連情報
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top