大腸癌肝転移のhigh risk group (高危険度群) を判別するため, 大腸癌症例407例に認められた肝転移症例78例 (同時性51例, 異時性27例) についてその臨床病理学的特徴を検討した.肝転移群の原発巣平均最大径は53.9mmであり, その中でも同時性のものは56.1mmと大きく, 全大腸癌症例の49.3mmに比べて有意に大きかった.占居部位別にみた肝転移率は各部位間に差を認めなかったが, 肉眼型別比較では3型 (40.5%) が2型 (20.7%) に比べ有意に高率であった.病理組織学的検討によると, 組織型では中分化腺癌, 深達度ではs, a2以上, リンパ節転移程度ではn2以上, リンパ管侵襲程度ではly3以上, 静脈侵襲程度ではv2以上の症例に肝転移率が高率で, これらの所見を呈する症例が肝転移high risk groupと考えられた.大腸癌肝転移の予測には, これらの病理学的所見を含めた多因子による総合的判断が重要である.