日本消化器外科学会雑誌
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残胃全摘術後に発生したBarrett様食道腺癌の1例
小西 大加藤 抱一日月 裕司渡辺 寛山口 肇石川 勉板橋 正幸広田 映五
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24 巻 (1991) 10 号 p. 2565-2569

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抄録

残胃全摘術後のBarrett様食道に発生した腺癌の1例を報告する.症例は52歳の男性で, 33歳の時, 胃癌にて幽門側胃切除術, 35歳の時, 残胃再発癌にて残胃全摘術をそれぞれ受け, 1983年4月, 45歳の時の内視鏡検査にて逆流性食道炎からBarrett様食道が生じたことが確認された.さらに1989年12月, Barrett様食道内に表在性食道腺癌が発見され, 右開胸開腹にて胸部食道全摘術が行われた.病変は胸部下部食道に存在し, 丘状隆起型, 7.4×3.2cmの高分化腺癌で, 深達度はmm, リンパ節転移は認めなかった.本症例は残胃全摘術後からBarrett様食道発生までの経過を観察されており, Barrett食道発生の後天説を裏付ける症例であり, 腸液の逆流による慢性的な炎症が誘引と考えられた.さらに本症例ではBarrett様食道より腺癌の発生を認めた.隆起型の高分化腺癌であり, 粘液染色において不完全型腸上皮化生を背景粘膜とする分化型胃癌と類似する所見が得られた.

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