日本消化器外科学会雑誌
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急性腹症を呈した激症型アメーバ性大腸炎の1例
赤毛 義実水野 勇市野 達夫山本 哲也安井 保板橋 雄二真下 啓二石川 周品川 長夫由良 二郎
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24 巻 (1991) 11 号 p. 2804-2808

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抄録

アメーバ赤痢は本邦ではまれな疾患であるが, 炎症性大腸疾患の鑑別診断上重要な疾患の1つである. 一般には下痢を主症状とする慢性の経過をとることが多いが, まれには症状が急激に進行して穿孔などの重篤な合併症を併発して不幸な帰転をとることもある.
今回, われわれは急性腹症を呈した激症型アメーバ性大腸炎の1例を経験したので報告する.症例は45歳男性で, 主訴は右下腹部痛と水様性下痢. 右下腹部の腹膜刺激症状と強い急性炎症所見があり, 注腸検査で盲腸に潰瘍を認めた. 確定診断には至らなかったが, 症状が進行しており穿孔の危険があるので, 急性腹症と判断し回盲部切除術を施行した. PAS染色で組織学的に栄養型赤痢アメーバを認め本症と確定診断した. 本症は抗アメーバ剤によく反応するが診断が遅れれば死亡率が高いので注意が必要である. 本症例を経験し, 炎症性大腸疾患の鑑別診断には本症を念頭におく必要があると痛感した.

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