24 巻 (1991) 3 号 p. 757-762
胃癌切除例94例を対象とし, 術前診断にplain computed tomography (plainCT) および, dynamiccomputed tomography (dynamic CT) をもちいて, 癌の漿膜浸潤, リンパ節転移の診断能について検討した.
漿膜浸潤の正診率は, plain CT76%, dynamic CT80%で有意な差は認められなかったが, S2とS3の鑑別診断能はplain CT 56%, dynamic CT 84%であり, 他臓器浸潤の判定にdynamicCTは有用であった.リンパ節転移程度別の正診率は, plainCT59%, dynamicCT80%であり, 有意にdynamicCTが成績良好であった.所属リンパ節番号別にみた転移の有無の感受性でみると, plainCT58%, dynamicCT74%であり, 特にリンパ節郭清に重要なNo.(1),(7),(8),(9),(10),(11),(16) リンパ節の局在診断および質的診断にはdynamicCTが有用であった.
以上により, dynamicCTは術前の進行度診断に有用であり, リンパ節郭清範囲, 手術術式の決定に寄与するものと考える.