日本消化器外科学会雑誌
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胃癌切除後残胃粘膜の経時的変化に関する臨床病理学的研究
塩崎 哲三
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24 巻 (1991) 7 号 p. 1918-1926

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抄録

胃癌術後の経過観察において, その残胃粘膜の変化を検討することはきわめて重要である.そこで, 胃癌幽門側切除58症例の残胃を, その切離線の粘膜病態から, F-lineの口側にあるものをA群, 交差するものをB群, 幽門側にあるものをC群と3群に分類した.これら3群における術後の経時的な粘膜変化を, 吻合部と残胃体部の内視鏡生検組織所見より検討した.1) 腺窩上皮の過形成変化 (吻合部) は, A群で経時的に増加した.しかし, C群では2年未満で多く認められたが, 経時的に, とくに, 5年以降で減少した.2) 腸上皮化生変化は, どの群でも, 吻合部, 残胃体部ともに経時的に増加の傾向を示した.また, 切除時に腸上皮化生変化のない残胃にも, 腸上皮化生が2年未満で出現し, 2~5年, 5年以降と経過するにしたがって拡大することがわかった.3) 炎症性細胞浸潤は, 吻合部が残胃体部より強い傾向であったが, 経時的な変化は認められなかった.

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