日本消化器外科学会雑誌
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回腸粘膜下腫瘤を呈した腹腔内デスモイド腫瘍による成人腸重積症の1例
鍋谷 圭宏中村 宏今野 秀次平嶋 毅朱 綜杰伊賀 多朗長尾 孝一
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24 巻 (1991) 9 号 p. 2471-2475

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抄録

症例は79歳の女性で, 急性の腹痛, 嘔気, 嘔吐を主訴として腸閉塞の診断で入院した.腹部の単純X線超音波, computed tomography検査などから腸重積症を疑い, 保存的にイレウス管による減圧をはかったが改善しないため, 5日後に緊急手術を行った.開腹所見では回盲部腸重積症で, 用手整復が困難なため回盲部切除と端々吻合術を施行した.切除標本では回盲弁から約20cmの回腸に3.5×3.0×2.5cmのポリープ状粘膜下腫瘤が存在し, 重積先進部となっていた.組織学的には, 粘膜下組織原発のまれな発育形式を呈した腹腔内デスモイド腫瘍と診断された.本症例では大腸腺腫症の併存はなく, 腹腔内デスモイド腫瘍単独症例としては文献上本邦第16例目, さらに腸重積症をきたした症例としては本邦第1例目と思われる.術後経過は順調で, 第31病日に軽快退院した.腸重積症の術前画像診断, 特に腹部超音波検査の有用性を強調したい.

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