日本消化器外科学会雑誌
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直腸脱を来した直腸癌の1例
加納 宣康山田 直樹二村 直樹古村 能章前田 浩幸田辺 博伊東 久雄斉藤 雅之木村 友彦池田 庸子
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24 巻 (1991) 9 号 p. 2481-2485

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抄録

われわれは最近, 直腸癌が原因となったと考えられる直腸脱の1例を経験したので報告する.患者は54歳, 男性.主訴は肛門部の腸管脱出.家族歴および既往歴に特記すべきことなし.1990年2月15日, 便意があったためトイレで怒責したところ, 肛門より腸管の脱出を来したため当院を緊急受診した.来院時, 肛門部には直腸が脱出していたが, その大部分は乳頭状あるいは絨毛状に発育した全周性の腫瘍により占められていた.脊髄麻酔下に整腹した後, 注腸造影および内視鏡検査で直腸癌と確定診断して腹会陰式直腸切断術を施行した.切除標本所見で腫瘤は大きさ11.0×14.0cm, 全周性で, 腫瘤の表面は地図状あるいは絨毛状に隆起し辺縁は明瞭であった.病理組織学的検査では高分化型腺癌で大部分は粘膜内にあり一部で粘膜下に達していた.リンパ節転移はなかった.また癌の辺縁にはtubulovillous adenomaを認めた.直腸脱を合併した直腸癌例はきわめてまれである.

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