日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
門脈ガス血症を伴なった急性上腸間膜動脈閉塞症の1救命例
桑原 義之片岡 誠佐藤 篤司呉山 泰進川村 弘之三谷 真巳岩田 宏坂上 充志加島 健利篠田 憲幸服部 浩次神谷 武正岡 昭
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25 巻 (1992) 12 号 p. 3007-3011

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抄録

症例は心疾患, 脳梗塞症の既応をもつ54歳の男性で, 突然の腹痛にて発症した.腹部computed tomography, 腹部超音波断層像にて門脈内ガス像を認め, 腹部血管造影にて, 急性上腸間膜動脈閉塞症と診断した.手術所見ではトライツ靱帯より約60cmから80cmまでの部分 (1) と145cmから上行結腸中央部までの部分 (2) の腸管が壊死した状態であった.また, 壊死腸管のmarginalvein内には, 多数の気泡が認められた.手術は (1) と (2) の壊死腸管を別々に切除し, それぞれ端々吻合した.残存小腸は約120cmであった.切除標本では, 壊死腸管の粘膜内に径1mm前後の小気泡が多数存在し, pneumatosis intestinalisの状態と考えられた.術後経過は, 比較的良好で, 術後第35病日に軽快退院した.門脈ガス血症を伴う上腸間膜動脈閉塞症の救命例は本邦にはなく, 欧米においても, 現在までに2例の報告をみるのみで.自験例はまれな症例と思われた.

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