日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
多中心性発癌肝細胞癌症例の臨床病理学的検討
松田 政徳山本 正之茂垣 雅俊板倉 淳松本 由朗
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 25 巻 3 号 p. 799-806

詳細
抄録
病理組織学的に,(1) 比較的小さく高分化な肝細胞癌の多発例,(2) 比較的小さく高分化な肝細胞癌と, これより大きく低分化な肝細胞癌の併存例,(3) 辺縁に分化度の高い肝細胞癌組織の残存した「nodulein-nodule」の形態をとる腫瘍の多発例および併存例, を多中心性発癌症例 (MC) とみなし, 最近5年6か月間に切除した45例の複数の病変を有する肝細胞癌症例を対象としてMCの臨床病理学的特徴を検討した.45例中, 病理組織学的にMCと考えられた症例は10例 (22.2%) で, うち3例は肝内転移結節を伴っていた.肝内転移のみの32症例 (IM) では, 主病巣の組織学的被膜浸潤 (75.0%), 門脈侵襲 (56.3%) が高頻度であったが, 肝内転移を伴わないMCではそれぞれ, 14.3%, 0%と低頻度であった.MCの非癌部肝臓は慢性肝炎を呈する症例 (60.0%, IM=15.6%) が多いものの, B型, C型肝炎との関係は明らかでなかった.MCのうち5例で, 主病巣, 副病巣の核DNA量を測定した.2例にDNA indexに差がみられた.
著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top