25 巻 (1992) 3 号 p. 834-841
消化器外科手術患者50名を対象として, 各種血清蛋白の値 (serum protein profile) により術前栄養評価を行い, 術後感染症の発生率との関連を検討した.次に対象患者のなかから補体第3因子 (C3), ハプトグロビン (Hp) がともに正常である患者16名と, ともに低下している14名との間で, 手術後の生体反応の強弱を比較し, 以下の結論を得た.
1) C3, Hp, プレアルブミンのいずれかが低値の患者は39名 (78%) にも達し, これらの患者では術後感染症の発生が有意に多かった.
2) 術前に血清C3およびHp値がともに低下していた患者では, 術後, 血清C反応性蛋白, α1酸性糖蛋白の上昇が有意に抑制された.
これより, 術前C3, Hpなどのpositive acute phase proteinが低い患者では, 侵襲に対する生体反応力の一部が障害されていると考えられ, 消化器外科手術患者の術前栄養評価には, negative acute phase proteinのほかにこれらの蛋白の測定も加えるべきである.