日本消化器外科学会雑誌
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Print ISSN : 0386-9768
成人型輪状膵に併存した管腔内型十二指腸憩室の1治験例
斎藤 智裕横山 義信安斎 裕白崎 功三浦 二三夫斎藤 寿一
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25 巻 (1992) 7 号 p. 2018-2022

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抄録

成人型輪状膵による十二指腸狭窄に併存した管腔内型十二指腸憩室 (intraluminal duodenal diverticulum: 以下IDD) の1例を経験した.患者は38歳, 女性.全身倦怠感, 食欲不振, 嘔吐を主訴に入院.低緊張性十二指腸造影・内視鏡検査にて十二指腸下行脚上部に全周性の狭窄像, 下行脚中部に嚢状形成物を認めた.Computed tomographyでは, 十二指腸内腔を取り囲む膵頭部実質像を認め, 腹部血管造影では胃十二指腸動脈の右方偏位が認められた.手術所見からIDDと成人型輪状膵との併存を確認し, 憩室切除術およびconventional gastrectomyを施行し, Billroth-II法にて再建を行った. 憩室の病理学的所見では, 壁の内外ともに十二指腸粘膜で覆われていたが, 固有筋層は認められなかった.成人型輪状膵とIDDとの併存は, 本邦では文献上5例の報告をみるのみであり, なかでも完全型輪状膵による十二指腸狭窄との併存は本症例が2例目と思われ, きわめてまれであるので報告した.

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