日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
髄外造血巣を伴う巨大肝血管筋脂肪腫の1例
村上 茂樹石賀 信史庄 達夫石原 清宏酒井 邦彦岩藤 真治藤井 康宏山本 泰久
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26 巻 (1993) 12 号 p. 2841-2845

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抄録

心窩部痛を訴える27歳の女性の肝右葉に発生した肝血管筋脂肪腫の1例を経験した. 腫瘍は肝右葉全域を占め (15×13×10cm), 肝右葉切除術を施行した. 本疾患の画像所見の特徴は, 腹部超音波検査で高エコー, computed tomography検査では低吸収領域, 造影CT・血管造影では腫瘍濃染像として描出される. しかし, 腫瘤内にある筋成分と脂肪成分との比率により, その画像所見は症例により微妙に異なり, 自験例は上記特徴を有していたが, なお血管腫との鑑別を要した. 径2cm以下の症例では肝細胞癌との鑑別は困難とされる. 病理組織学的には, 増生した大小の血管と成熟脂肪細胞, 筋細胞の存在により診断される. 自験例は腫瘍内に髄外造血巣を認めたが, これは肝血管筋脂肪腫に特異的な所見である. 肝での悪性例の報告は認められないが, 最近腎血管筋脂肪腫の平滑筋肉腫への悪性化が報告されており, 経過観察する場合は注意が必要である.

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