症例1は29歳の女性.発熱を主訴に本院受診.血液検査にて, 胆道系酵素の著明な上昇を認め, さらに, 低緊張性十二指腸造影および内視鏡にて十二指腸下行脚の輪状の狭窄を確認した.十二指腸膜様狭窄を疑い, 開腹術施行.狭窄は膜様であり, 総胆管開口部は狭窄部の口側に存在しており, 十二指腸内圧の上昇が逆行性胆管炎を引き起こしたと判断した.十二指腸膜様狭窄および逆行性胆管炎と診断, 膜様部切除及び胆道付加手術を施行した.症例2は25歳の女性 (症例1の妹).嘔吐を主訴に近医受診.上部消化管造影にて十二指腸下行脚に全周性の狭窄を認めた.輪状膵を疑い開腹術施行したが, 輪状膵の所見なく, 十二指腸下行脚の狭小化を認めた.術中, 十二指腸膜様狭窄の確定診断に至らず, 通過障害解除の目的で胃空腸側々吻合術のみ施行した.
以上の2症例は本邦初の成人十二指腸膜様狭窄の同胞発生例であり, さらに, 症例1は胆管炎症状にて発症した点でも非常に興味深い.