日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
胃癌穿孔8症例の臨床病理学的検討
金丸 太一斎藤 洋一太田 恭介橋本 可成松井 祥治福田 裕藤本 彊
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26 巻 (1993) 5 号 p. 1261-1265

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抄録

1976年から1990年までに加古川市民病院外科で経験した胃癌穿孔8症例を臨床病理学的に検討し, 以下の結果を得た.(1) 頻度は全胃癌手術症例 (847例) 中0.9%であった.(2) 男女比は6: 2, 平均年齢は66.5歳, 良性潰瘍に比べて高齢であった.(3) 正診率は12.5%で, 術前診断の困難性がうかがわれた.(4) 穿孔部位は噴門部4例, 胃体部2例, 幽門部2例であり, いずれも癌性潰瘍よりの穿孔であった.(5) 切除率は6例 (75.0%), 治癒切除率は1例 (12.5%) であった.(6) 肉眼分類ではBorrmann 2, Borrmann 3, IIc+III進行型がおのおの2例, 組織分類では低分化型腺癌3例, 中分化型腺癌2例, 粘液腺癌1例であった.(7) 深達度はssが4例, se, seiが1例で, 穿孔部位に線維性増殖は認めなかった.(8) 予後は不良で非切除症例2例は術死し, 耐術例6例のうち4例が癌性腹膜炎にて死亡した.(9) 術中に胃穿孔と診断された25例中, 本疾患は32.0%をしめており, 診断は慎重に行い, 治療は治癒切除を原則とするべきと考えられた.

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