日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
無肝期における凝固線溶系分子マーカーおよび諸指標の経時的変化に関する実験的検討
吉村 了勇濱島 高志李 哲柱大坂 芳夫平川 一典閑 啓太郎安井 仁天池 寿園山 輝久山岸 久一岡 隆宏
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26 巻 (1993) 7 号 p. 1990-1995

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抄録

Veno-venous (V-V) バイパスの凝固能にあたえる影響をみるため, ブタ (n=6) を用いて凝固線溶系分子マーカーについて検討した.凝固系分子マーカーであるthrombin-antithrombin (TAT) 複合体は無肝期直前に10.2±4.6μg/l (n=6) と低値であったのが無肝期の早期 (30分) に58.6±5.1μg/l (p<0.01) へと著明な増加を示し, その後も時間経過とともに軽度増加した.一方, フィブリンモノマー (FM) テストは無肝期60分から120分を境に (-) から (+) へと変化を示した.一方, 線溶系ではDダイマ-は無肝期直前に65±5ng/mlであったのが, 無肝期30分, 60分, でそれぞれ70.0±10.1ng/ml, 76.0±8.7ng/ml, と軽度上昇を示したにとどまった.しかし, 120分, 150分では100±11.3ng/mlおよび121±10.8ng/ml (p<0.05) と明らかな増加傾向を示した.プラスミン-α2プラスミンインヒビター (PIC) は有意な変化を示さなかった.無肝期における凝固系分子マーカーの指標としてTAT複合体が, また線溶系分子マーカーではDダイマーがよい指標と考えられ, 従来の凝血学的諸指標より鋭敏であった.

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