日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
肝癌切除例におけるトリメタジオン負荷試験と肝実質の病理組織学的所見の対比について
石川 詔雄辻 勝久深尾 立長田 明山本 祐二大塚 雅昭轟 健高瀬 靖廣中野 雅行田中 栄之介
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26 巻 (1993) 8 号 p. 2155-2159

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抄録

肝癌切除例56例において, 肝予備能の評価に有用なtrimethadione (TMO) 負荷試験 (DMO/TMO) と非癌肝実質の形態学的所見および肝機能検査 (アルブミン: ALB, 総ビリルビン: BIL, プロトロンビン時間: PT, ICG負荷試験: ICGR15) を検討した.DMO/TMO値とICGR15やPTとの相関は, それぞれr=-0.495, r=0.473であった.DMO/TMO値は, 肝硬変 (LC) で0.28, 初期のLC (EC) は0.37, 肝線維症 (FB) と慢性肝炎 (CH) 0.51, 正常 (NO) が0.52を示し, またLCとEC間およびECとFB, CH, NO間に, それぞれ有意差を認めた.しかしICGR15, PTは, LCとEC間のみに有意差を認めた.LCの甲型と乙型との検討では, DMO/TMO値やその他の検査値とも両群間に差を認めなかった.以上よりDMO/TMO値は, 門脈域から中心静脈域にわたる線維隔壁形成の程度の違いやLCやCHにおける肝実質細胞総量の変化を評価しているものと考えられた.

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