日本消化器外科学会雑誌
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大腸アスペルギルス症の1例
菊地 充遠藤 重厚桑田 雪雄佐藤 武彦稲田 捷也吉田 昌男
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1993 年 26 巻 9 号 p. 2367-2371

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抄録

アスペルギルスによる消化管真菌症の1例を経験した.症例は62歳の女性で, 腹痛出現後2日目にショック状態で当センターに紹介となった.絞扼性イレウスにて回盲部切除術を行った.第7病日に下血がみられ, 内視鏡にてS状結腸に偽膜形成が認められた.消化管出血が続いたため第14病日に再手術を行った.下行結腸, S状結腸に虚血性変化がみられたためこれらを切除し, 人工肛門を造設した.この頃からβ-グルカンは陽性となり, 第22病日にはβ-グルカンは310pg/mlと高値を示し深在性真菌症と診断した.なお同時期の腹水の細菌学的検討ではアスペルギルスが検出された.病理組織学的検討では, 大腸の潰瘍形成と潰瘍底にアスペルギルスの虫体が認められた.今回の症例からβ-グルカンの測定はアスペルギルスなどのカンジダ以外の真菌症の診断でも有効であると考えられ, 真菌症の診断法として有効であることが確認された.

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