日本消化器外科学会雑誌
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臨床的に低カリウム血症を呈した進行癌を伴う直腸villous adenomaの2例
小林 利彦木村 泰三吉田 雅行櫻町 俊二大石 真広後藤 秀樹高林 直記久保田 修原田 幸雄喜納 勇宇野 允之宮原 透
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27 巻 (1994) 4 号 p. 927-931

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抄録

大腸のvillous adenomaにおいて, 腫瘍からの大量の粘液排泄が原因で血清電解質などに異常をきたすことは極めてまれである. 今回われわれは, 臨床的に低カリウム血症を呈した進行癌を伴う直腸villous adenomaの2例を経験したので報告する.
症例1は89歳の女性. 多量の粘液便排泄を主訴に入院した. 直腸に大きさ15×7cmの進行癌を伴う巨大villous adenomaを認め, 腫瘍からの粘液排泄が原因と考えられる低カリウム血症 (K3.1mEq/l) と低蛋白血症 (TP5.5g/dl) を呈していた. なお, 排泄液の電解質組成はNa140mEq/l, K56mEq/l, Cl 141mEq/lと, カリウムの著しい高値を示した.
症例2は68歳の女性. 多量の粘液性下痢と全身倦怠感を主訴に入院した. 直腸に大きさ16×6cmの進行癌を伴う巨大villous adenomaを認め, 血清カリウム値は2.5mEq/lであった. 2症例とも直腸切断術が行われ, 術後低カリウム血症は改善した.

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