膵内分泌腫瘍12例, 膵管癌15例および正常膵十二指腸組織におけるアルドラーゼCの発現を, アルドラーゼCに対する精製抗体を用い, 免疫組織学的に比較検討した.膵内分泌腫瘍では機能性内分泌腫瘍5例, 非機能性腫瘍7例であった.染色結果は陽性細胞数により, グレード0からグレード3に分類した.正常膵では, ランゲルハンス島細胞および神経線維にアルドラーゼCの局在を認めた.内分泌腫瘍では, 12例全例にアルドラーゼCの発現をびまん性に認め, その平均グレードは2.8±0.4 (M±SE) であった.一方, 膵管癌におけるアルドラーゼC発現の陽性率は47%, 平均グレードは0.7±1.0であり, 内分泌腫瘍に比べ, 明らかな差があった (p<0.001).以上より, アルドラーゼCは膵内分泌腫瘍と膵管癌との鑑別診断において有用であるとともに, ラ島細胞および膵神経内分泌腫瘍に対する免疫組織学的マーカーとして臨床応用が可能であると考えられた.