幽門側胃切除後の残胃粘膜の細胞動態を増殖活性の面より, 64例を対象に部位別, 術式別および経時的変化について検討した. 部位別では吻合部が大彎部に比べてproliferating cell nuclear antigen標識率およびOrnithine Decarboxylase活性が有意に高値を示した. 術式別ではBI群で部位別に差がみられなかったのに対して, BII群ではS期細胞率, PCNA標識率およびODC活性が大彎部に比べて吻合部で有意の高値を示した. 吻合部のみについてみるとBII群がBI群よりも有意のPCNA標識率およびODC活性の高値を示した. 吻合部について術後経過期間でみると, 5年末満群と比較して5年以上群でBII群がPCNA標識率とODC活性の有意の高値を示したのに対してBI群では逆に5年以上群で低値傾向がみられた. 術式別に5年以上群でみるといずれのパラメーターもBI群に比べて有意にBII群が高値を示した. 以上, 残胃粘膜の細胞増殖活性は吻合部で高く, その傾向はBII群の長期経過例でより著明で, その発癌リスクの高さを示唆するものと考えられた.