日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
胸部食道癌に対する3領域郭清の功罪
安藤 暢敏小澤 壮治辻塚 一幸篠崎 浩治池田 佳史上田 政和北島 政樹
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28 巻 (1995) 4 号 p. 937-941

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抄録

1992年までに教室で切除した3領域郭清例3Fは92例で, その遠隔成績を背景因子をそろえた2領域郭清例2F57例と対比しつつその功と罪を整理し, その結果をもとに3領域郭清の適応を検討した. 郭清リンパ節個数からみると, 3Fでは頸部郭清が追加されただけでなく, 縦隔郭清の密度がより濃くなっていた. 全例では3F-2Fに遠隔成績の差は認められなかったが, 進行度別ではstage 0~III, 転移リンパ節個数別では0~3個, 転移領域数別では0~1領域, 占居部位別ではImの症例で3Fの生存率が有意に良好であった. 術後肺合併症や反回神経麻痺の発生率は2群間で大きな差はみられず, 従って超進行癌を除き中期までの進行癌症例では3Fの郭清効果が期待できる. erb-Bがん遺伝子は高度リンパ節転移との強い相関がみられ, 3Fの適応にはならない超進行癌を術前に予測しうる因子の1つになると考えられた.

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