日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
肝切除後のquality of lifeに関する検討
塗木 健介田辺 元吉留 伸郎小倉 芳人上野 信一栗田 光一愛甲 孝
著者情報
ジャーナル フリー

28 巻 (1995) 7 号 p. 1673-1680

詳細
PDFをダウンロード (14508K) 発行機関連絡先
抄録

肝切除施行後3か月以上経過生存中の非担癌状態の71例を対象に, quality of life (QOL) に関する独自のアンケート調査を行い, 肝切除術後QOLと, 臨床事項, 肝機能変化状況との関連を検討した.主成分分析の結果, 肝切除後QOLに強く関与するアンケート項目は, 食欲, 仕事・家事, 睡眠, 体調であった.肝切除後QOLは身体面, 精神面では比較的良好であったが, 社会的機能や身体感覚面では低下していた.また, 肝切除後QOLに強く関与する臨床事項は, 宿主側因子では肝切除時年齢, 疾患の良悪性, 術前ICGR15, 肝切除後経過年数であり, 治療側因子では術後合併症の有無と肝切除後遠隔時の蛋白合成能維持であった (p<0.05).しかし, 2区域以下の肝切除量, 残肝復元率との関連は認めなかった.
以上より, 肝切除後の良好なQOLの獲得には, 術後合併症の防止と遠隔時の肝蛋白合成能維持が重要であることが示唆された.

著者関連情報
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top