日本消化器外科学会雑誌
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腹膜外腔拡張バルーンシステムを用いた内視鏡下鼠径部ヘルニア修復術の経験
金丸 洋多田 真和堀江 良彰高田 伸
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28 巻 (1995) 7 号 p. 1755-1759

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抄録

Total extraperitoneal preperitoneal approach (以下, TPPと略記) は剥離した腹膜外腔で, 内視鏡下にポリプロピレンメッシュを腹膜前層に展開し内・外鼠径, 大腿ヘルニアのヘルニア門を被覆閉鎖する術式である. 腹膜外腔拡張バルーンシステム (preperitoneal distention balloon system: 以下, PDBsystemと略記) を使用したTPPを5例経験した. いずれも初発例で年齢は26~79歳, 男女比は4: 1であった. 疼痛は軽微で, 鼠径部の緊張感もなく, 重篤な合併症も認めず, 術後第4病日には退院可能であった. PDBSystemによる腹膜外腔の剥離は容易である. TPPでは鼠径部およびヘルニア門の解剖学的位置関係が理解しにくく, 腹腔内臓器の観察もできないため手技の習熟が必要であるが, 手術操作が腹腔内におよばないため腹腔内の癒着に影響されず, 腹腔内臓器損傷がなく術後腸管癒着が少ない, などの特徴を有し内視鏡下鼠径部ヘルニア修復術の中心術式のひとつになると思われる.

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