28 巻 (1995) 8 号 p. 1761-1765
食道表在癌の内視鏡的深達度診断と内視鏡的根治療法の適応について検討した. 対象は術前未治療で切除されたO-IIc型を主体とした食道表在癌53例57病巣である. 深達度をep, mm1~3, sm1~3の亜分類に分け病理組織学的に検討すると脈管侵襲, リンパ節転移ともに認めなかったのはepまたはmm1癌であり, これらが内視鏡的根治療法の適応と考えられた. 内視鏡像の検討より, epまたはmm1癌の診断は, 1) 深い陥凹を認めない, 2) 表面に大顆粒や結節を認めない, 3) 周囲粘膜の肥厚なし, 4) 硬化像なし, の所見をすべて満たすこととすることができ, その正診率は92.3%であった. したがってこの診断基準を用いれば内視鏡像からepまたはmm1癌を診断することはほぼ可能であり治療前の内視鏡的根治療法の適応決定に有用であると考えられた.