進行大腸癌330例を対象に, 原発巣にどのような組織型が混在した場合にリンパ節転移頻度が高いのかを求め, また, 組織型個々のリンパ節転移頻度を原発巣でのその組織型の多寡に応じて求めることから, 組織型の混在がリンパ節転移頻度に及ぼす影響を解析した. 組織型の組み合わせ別リンパ節転移頻度は, 従組織型として低分化腺癌が混在した場合にのみ, 組織多様性のない癌より有意に高率だった (73%vs. 48%; p<0.05). しかし, 低分化腺癌や粘液癌が従組織型の場合, それら組織型をリンパ節内に認める頻度は23%, 16%と低く, 他の従組織型や主組織型を多く認めた. 従組織型として低分化腺癌が混在するような原発巣の環境がリンパ節転移促進に重要であり, 今後, 原発巣の酸素濃度, pH, 周囲組織の影響など低分化腺癌が混在する環境の具体的解析が重要と思われた.