日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
高齢者肝細胞癌症例に対する拡大肝切除術の限界と対策
久保 正二木下 博明広橋 一裕田中 宏塚本 忠司首藤 太一奥田 豊一金沢 景繁三上 慎一坂田 親治
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29 巻 (1996) 10 号 p. 2053-2057

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抄録

高齢者肝細胞癌に対する拡大肝切除の限界と対策を検討するため, 肝切除施行肝癌391例のうち70歳以上を高齢者 (34例), 75歳以上を超高齢者 (7例) と定義, これらを他の非高齢者 (357例) と対比した. 非高齢者群の術死, 在院死は13例4%であったが, 高齢者群では6例15%であった (p<0.005). 非高齢者群における2区域以上切除例での術死, 在院死は87例中2例2%であったが, 高齢者群では7例中4例57%であった (p<0.0005). 超高齢者群では区域切除以上3例全例が術死した. 65歳以上の右2区域切除例のうち術前経皮経肝門脈枝塞栓術 (PTPE) 非施行14例中5例36%は術死, 在院死したが, PTPE施行7例では1例にすぎなかった. 肝癌において70歳以上を高齢者, 75歳以上を超高齢者とする定義は妥当であった. 高齢者に対する拡大切除の適応決定には注意を要し, 術前PTPEの併用によりその成績を向上しうると考えられた.

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