日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
アンモニアを指標とした肝内シャントの検討
門脈大循環系短絡路閉鎖の適応について
大坪 毅人高崎 健次田 正山本 雅一鈴木 隆文宮崎 正二郎中上 哲雄
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29 巻 (1996) 12 号 p. 2265-2270

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抄録

門脈血 (P), 肝静脈血 (H) の血清アンモニア値を用い肝臓でのアンモニア除去率 (= (P-H) /P) を算出し, これを指標として肝内シャントについて検討した. 対象は23例で肝外シャントは14例に認め, このうち11例でシャントを閉鎖した. 肝の線維化が高度となるにしたがって肝静脈血アンモニア値は高値を示し, アンモニア除去率は低値を示した. 肝外シャントの認められない症例では, アンモニア除去率はICGR15とよく相関した (r=-0.85). 肝外シャントを有する症例ではシャント閉鎖前のアンモニア除去率は, シャント閉鎖後のICGR15とよく相関した (r=-0.75). 以上よりアンモニア除去率は肝外シャントの有無に関わらず肝内シャント, すなわち肝の線維化の程度を反映し, 肝外シャントを有する症例ではシャント閉鎖後の肝機能や脳症の改善効果の予測が可能で, 肝外シャント閉鎖の適応の指標として有効であると結論された.

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