日本消化器外科学会雑誌
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特発性血小板減少性紫斑病に対する腹腔鏡下脾臓摘出術の有用性の検討-開腹下脾臓摘出術との比較
袖山 治嗣安里 進花崎 和弘若林 正夫川村 信之宮崎 忠昭大塚 満洲雄林 賢
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1996 年 29 巻 5 号 p. 1089-1093

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抄録

特発性血小板減少性紫斑病5例に対して腹腔鏡下脾臓摘出術を行い, 開腹下脾臓摘出術を行った10例と比較した.
手術は頭側高位の右下斜め側臥位で行い, 気腹に吊り上げ法を併用し, 超音波メスやハーモニックスカルペル (LCS) を使用した.
腹腔鏡下脾臓摘出術の手術時間は164~298分, 平均220±54分で開腹下手術の97±25分と比較し有意に長かった.出血量は20~400g, 平均170±180gで開腹下手術の204±212gより少ない傾向にあった.術後3日間の鎮痛剤の使用量, 術後の鎮痛剤の使用期間には差を認めなかった.腹腔鏡下脾臓摘出術では経口摂取開始が平均2.4±0.6日後, 術後入院期間が平均11.4±2.1日間で開腹下手術と比較し有意に回復が早かった.腹腔鏡下脾臓摘出術で重篤な合併症は経験しなかった.
特発性血小板減少性紫斑病で脾臓摘出術の適応のある症例には腹腔鏡下脾臓摘出術を積極的に選択すべきと考える.

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