日本消化器外科学会雑誌
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Print ISSN : 0386-9768
多彩な組織像を示した小児大腸多発癌の1例
星野 豊矢内 康一小野 友久手塚 徹見城 明伊勢 一哉井上 仁元木 良一渡辺 正俊畑 穆
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30 巻 (1997) 7 号 p. 1799-1803

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抄録

直腸腺扁平上皮癌, S状結腸粘膜内癌, 横行結腸低分化腺癌の3重複癌を発症した11歳, 男児例を経験した. 20歳未満の若年者多発大腸癌および直腸腺扁平上皮癌はともにまれであるので報告する.
症例は11歳の男児で, 主訴は粘血便であった. 平成5年8月, 直腸腺扁平上皮癌 (第1癌) に対しHartmann手術を施行した. 標本上S状結腸に高分化腺癌 (第2癌) を認めた. 平成6年1月, 人工肛門周囲膿瘍に対しドレナージ術を施行, 膿瘍壁より低分化腺癌を認めた. 平成6年3月, 第3回手術を行い術中に横行結腸低分化腺癌 (第3癌) を認めたため左半結腸切除術, 人工肛門再造設術を施行した. 術後3年経過した現在も再発なく健在である.
今回は3重複癌を認め, いずれも異なった組織所見を呈し同時性多発癌と思われた. また直腸の腺扁平上皮癌は腺癌の扁平上皮化生によると思われ, 本症例では多彩な発癌様式が関与しているものと思われた.

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