日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
臍転移をきたした肝細胞癌の1例
尾関 豊吉田 直優坂東 道哉山内 希美山田 卓也角 泰廣
著者情報
ジャーナル フリー

32 巻 (1999) 10 号 p. 2385-2389

詳細
PDFをダウンロード (164K) 発行機関連絡先
抄録

症例は74歳の女性.胸痛のため当院内科を受診し, 心エコーで肝腫瘍を発見された.CTで肝外側区域から腹腔内に突出した16cm大の腫瘍を認め, 肝細胞癌の診断で手術を施行した.肝外側区域から左上腹部全体におよぶ径20cm大の腫瘍を認め, 肝外側区域切除, 胃部分切除, 左横隔膜部分切除, 脾摘出術を行った.腫瘍は病理組織学的に低分化型肝細胞癌で, 術中に採取した腹水の細胞診はClass Vであった.術後第23病日に2cm大の臍腫瘍が出現したため, 第36病日に臍切除術を施行した.術中に腹膜播種を認めた.臍腫瘍の病理組織は低分化型肝細胞癌で, 静脈侵襲を認めたことから血行性転移が疑われた.患者は臍切除後に胸膜播種によると思われる左胸水が急速に貯留し, 肝切除術から2カ月後に呼吸不全のため死亡した.
肝細胞癌の臍転移は極めてまれであり, 文献的考察を加えて報告した.

著者関連情報
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top