初診時に胃癌の著しい肝転移による肝腫大および肝機能異常を認める初発症例の胃癌を「超肝転移胃癌」と定義し検討した.「超肝転移胃癌」は253例中5例 (1.9%) であった. 年齢平均67歳で, 男女比4/1であった. 生検では5例全例por1であり, 組織学的に2例が神経内分泌細胞に分化を示す腫瘍で, 残り3例はAFP 産生胃癌であった. 腫瘍マーカーとしてNSE, AFP が重要であった. 肝動注および静脈内化学療法 (CDDP+5FU) を施行し, 全例に肝転移に対して著しい効果を得, 肝臓は正常大に復し, 肝機能も正常化した. 化学療法による肝臓体積の縮小率は43~67%(平均56%) であった. 3例は癌再燃し, 平均14か月で死亡し, 生存2例は8および18か月観察中である.「超肝転移胃癌」は生物学的および臨床, 治療の観点から, 胃癌の中で特異的な単位であると考えられた.