日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
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右肝動脈走行異常と膵胆管合流異常を合併した胆嚢癌の1切除例
田中 肖吾広橋 一裕田中 宏久保 正二半羽 宏之首藤 太一村瀬 順哉池辺 孝若狭 研一木下 博明
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32 巻 (1999) 3 号 p. 860-864

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抄録

39歳の女性. 胆管炎様症状を主訴に来院した. 腹部CTおよび超音波像上, 胆嚢内に充満する隆起性病変が認められ, 造影CTおよび血管造影下CT像上, 胆嚢内病変とともにS4a, S5の肝内も広範囲に濃染されていた. 一方, 術中胆道造影所見と胆管胆汁中アミラーゼ値から膵胆管合流異常と診断され, さらに胃十二指腸動脈から分岐した右肝動脈が総胆管末端部の前面を通過し, 総胆管末端部を圧迫していた. 胆嚢癌との診断で肝S4a+S5および肝外胆管切除, D2郭清を施行したところ, 病理組織学的には乳頭状腺癌で, 肝浸潤はごく軽度 (5mm) であった. 画像上の広範な濃染像は, 豊富な胆嚢静脈血の肝内門脈枝への流入によると考えられ, 肝浸潤の診断の際には注意を要する所見であった. また膵胆管合流異常に加え, 右肝動脈走行異常による総胆管末端部の狭窄が胆管炎様症状の出現と関連あったものと考えられた.

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