32 巻 (1999) 4 号 p. 1075-1079
経皮的肝灌流 (PIHP) で治療したStage IV肝細胞癌 (IVA 31, IVB 5, HBsAg (+) 17, HCV抗体 (+) 15例) のQOLおよび背景因子からみた奏効と予後について検討した. 腫瘍効果は判定不能1例を除きCR 6, PR 15, SD 8, PD 6例でPR以上は60%であった. CR+PRとSD+PD例の間で年齢, ウイルス型, 腫瘍の肉眼型など背景因子に差を認めず奏効の予測因子は明らかでなかった. しかし, CR+PDとPR+SDで比較すると前者はB型, 後者はC型が多くなり, ウイルス型によって奏効の態様が異なっていた. 5年生存率は36例全例で32%, IVA36%, IVB 0%, Vp (-) 47%, Vp (+) 23%となり肝外転移や血管侵襲陽性例で不良であったが, B型 (31%) とC型 (42%) で差はなかった. QOLは合併症で死亡した初期の2例を除き全例が翌日から歩行でき良好であった. 以上よりPIHPは, 低侵襲性の外科的治療として良好なQOLを示し, 奏効率, 長期予後からみてStage IVA肝細胞癌に対する有力な治療法になると考えられた.