日本消化器外科学会雑誌
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胆管細胞癌の転移性鼠径ヘルニア嚢腫瘍の1例
志田 大吉見 富洋小形 幸代朝戸 裕二島崎 二郎堀 眞佐男
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33 巻 (2000) 11 号 p. 1816-1820

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抄録

鼠径ヘルニアおよび悪性腫瘍は, それぞれが高頻度でみられるにもかかわらず, 鼠径ヘルニア内に腫瘍が存在するヘルニア腫瘍は比較的まれである. 今回, われわれは鼠径ヘルニア嚢へ転移した胆管細胞癌の症例を経験したので報告する. 症例は72歳の男性. 3年来の無痛性の左鼠径部膨隆を主訴に来院した. 入院時全身状態は良好であった. 左鼠径ヘルニアの診断で, 内鼠径ヘルニア修復術を実施した. 切除したヘルニア嚢の一部に白色の結節様に肥厚した部位が2か所存在したため, 病理組織学的検査を行ったところ, adenocarcinoma in the peritoneal tissueと診断された. その後の全身精査によって, 胆管細胞癌の腹膜播種と診断した. 本症例はヘルニア腫瘍のなかでヘルニア嚢腫瘍に分類されるが, このような転移性の鼠径ヘルニア嚢腫瘍はまれであり, 過去の英文および邦文の文献を検索する限り, 原発巣として胆管細胞癌の報告は初めてであった.

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