日本消化器外科学会雑誌
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上行結腸の特発性腸重積に盲腸癌による腸重積が嵌頓した1例
高田 知明吉田 秀明塚田 守雄奥芝 俊一加藤 紘之
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2001 年 34 巻 2 号 p. 118-122

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抄録

症例は79歳の男性で発熱, 嘔吐, 上腹部痛を主訴に当院入院となった. 臍右側に腫瘤を触知した.腹部単純X線検査, 腹部超音波検査, 腹部CT検査, 大腸内視鏡検査, 注腸造影検査にて上行結腸横行結腸型腸重積に加えて盲腸癌が嵌頓して発症したイレウスと診断され, 緊急手術を施行した. 開腹すると上行結腸が先進部となり横行結腸右側まで入り込んだ結腸結腸型の腸重積に加えて盲腸癌を先進部として回盲部, 腸間膜がさらに嵌頓した盲腸結腸型の腸重積が確認された. なお移動盲腸も認めた. 重積状態のまま結腸右半切除術, D2リンパ節郭清術を施行したが盲腸癌は5.5×5.0cmの2型で, 組織学的には高分化腺癌, stage IIであった. 上行結腸には先進部の原因となるような器質的病変は認められず, この部位の重積の発症原因は特発性と考えられた. 自験例を含む最近10年間の盲腸癌による成人腸重積症の本邦報告例27例を集計し文献的考察を加えた.

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