日本消化器外科学会雑誌
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肝転移巣切除後に発見された微小直腸カルチノイドの1例
野坂 俊壽五関 謹秀岩井 武尚明石 巧
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34 巻 (2001) 2 号 p. 137-141

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抄録

症例は57歳の女性. 右上腹部痛を主訴に検索したところ, 肝右葉に7×6×3cmの腫瘤が認められ, 針生検でカルチノイドと診断された. 全身検索したものの他臓器に異常なく, 原発性肝カルチノイドの術前診断で肝後区域切除を施行した. 術中所見で肝左葉表面に径5mmの, さらに切除標本の病理検査で肝右葉腫瘍近傍に径0.5mmのカルチノイド腫瘍が認められた. 手術後8か月して, 直腸に径5mmで壁深達度smのカルチノイド腫瘍が見つかり, 内視鏡的に切除した. 2年後肝内再発を生じ切除したものの, その後多発性再発を生じ, 最初の肝切除から6年以上経過して生存中である. 微小直腸カルチノイドの転移はまれであるが, 本症例では径5mmながら原発巣であり, 肝カルチノイドはその転移巣と考えられた. 径10mm以下の直腸カルチノイドで肝転移を生じた本邦報告例は自験例を含めて15例あり, 若干の文献的考察を加え報告する.

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