34 巻 (2001) 4 号 p. 351-356
潰瘍性大腸炎に対する腹腔鏡補助下手術につき臨床学的検討を行った. 全潰瘍性大腸炎776例中119例に対し手術を施行. このうち回腸嚢肛門管吻合 (IACA) 症例は28例で, 腹腔鏡下手術10例, 開腹手術18例であった. 開腹手術との比較では,腹腔鏡下IACA手術時間: 377分, 開腹IACA: 308分, 出血量は腹腔鏡下IACA: 177ml, 開腹IACA: 363mlであった. 経口摂取開始日は両群とも貯留内減圧チューブを1週間挿入してあるので腹腔鏡下IACAで10.3日, 開腹IACAで19.2日であった. 有意差を認めたのは経口摂取開始から退院までの期間で, 腹腔鏡下IACA: 14.9日, 開腹IACA: 23.8日であった. 退院時排便回数は有意差なく腹腔鏡下IACA: 8.0行, 開腹IACA: 11.0行であった. 腹腔鏡下. IACAは回復も早く, 患者の手術侵襲も軽く今後の発展が期待される手術方法である.